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恋セヨ乙女
第21章 浮気の境界線
「してねーよ」
「嘘」
「嘘じゃない」
「………」
二人の間に沈黙が降りる。
この状況でキスマークをつけてしてないなんて嘘だ。
「真優…」
ポロポロ零れる涙に大地が手を伸ばす。
「触らないで!」
大地の手をはね除けた。
「夕べあの子に触れたんでしょ?その手で…」
ドンと大地の胸を叩く。
広い大地の胸はびくともしなかった。
「どうして…嘘つくの?」
「………」
「あの子のことが好きになった?」
「俺が好きなのは真優だけだ」
「…じゃあどうして」
それからも大地は認めない。
理由も言わない。
平行線の押し問答が続き時間だけが過ぎていった。
「私、帰る。今日は大地と居られない」
「帰さねーよ」
大地が私の手首を強く掴んだ。
「離してよ!」
「嫌だ!」
――――埒が明かない。
「とにかくこんな気持ちのままじゃ一緒に居られない」
「ダメだ!」
「……じゃあちゃんと言ってよ。ここまで証拠があるのにどうして?」
「…俺は真優が好きなんだ」
「会話になってない!」
最後はもう叫んでいた。
「…じゃあキスしてよ。やましいことがないなら…あの子にしてないならできるよね?」
「………」
「ホラできないじゃない! 」
「真優…俺が好きなのは真優だけだ」
「そんなこと聞きたいんじゃないの!浮気したかしないかが聞きたいの!」
「…真優だけなんだ、頼む…」
「………」
弱々しい大地が懇願する。
本当にやましいことがないのなら他に言葉があるだろうに。
それと同時に一つの出来事が思い返される。
高校二年の修学旅行…
当時彼女がいた先生。
鞠華さんが脳裏に浮かんだ。
「嘘」
「嘘じゃない」
「………」
二人の間に沈黙が降りる。
この状況でキスマークをつけてしてないなんて嘘だ。
「真優…」
ポロポロ零れる涙に大地が手を伸ばす。
「触らないで!」
大地の手をはね除けた。
「夕べあの子に触れたんでしょ?その手で…」
ドンと大地の胸を叩く。
広い大地の胸はびくともしなかった。
「どうして…嘘つくの?」
「………」
「あの子のことが好きになった?」
「俺が好きなのは真優だけだ」
「…じゃあどうして」
それからも大地は認めない。
理由も言わない。
平行線の押し問答が続き時間だけが過ぎていった。
「私、帰る。今日は大地と居られない」
「帰さねーよ」
大地が私の手首を強く掴んだ。
「離してよ!」
「嫌だ!」
――――埒が明かない。
「とにかくこんな気持ちのままじゃ一緒に居られない」
「ダメだ!」
「……じゃあちゃんと言ってよ。ここまで証拠があるのにどうして?」
「…俺は真優が好きなんだ」
「会話になってない!」
最後はもう叫んでいた。
「…じゃあキスしてよ。やましいことがないなら…あの子にしてないならできるよね?」
「………」
「ホラできないじゃない! 」
「真優…俺が好きなのは真優だけだ」
「そんなこと聞きたいんじゃないの!浮気したかしないかが聞きたいの!」
「…真優だけなんだ、頼む…」
「………」
弱々しい大地が懇願する。
本当にやましいことがないのなら他に言葉があるだろうに。
それと同時に一つの出来事が思い返される。
高校二年の修学旅行…
当時彼女がいた先生。
鞠華さんが脳裏に浮かんだ。