パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第21章 浮気の境界線

「言えよ！どんな風に…」


「覚えてないよ」


「今でも好きなのか」


「え？」


「アイツが今でも好きなのかよ！」


「…私が好きなのは大地だよ」


「へぇ…こんな時にそんな話出して別れたいのかと思った」


大地の目は狂気を含んでいてゾッとした。


「他人の事責められねーな」


「…私は付き合う前の話だけどね」


「何にも知らねー顔してそいつと俺比べてたんじゃねーのか？」


「………」


「真優、俺が夕べ何したか聞きたいんだよな？」


「………」


「おまえが昔“センセー”としたのと同じことだよ」



――――やっぱり罰だ。
私のしたことが今、私に返ってきた。


知りたいと自分から願った事なのに涙が止まらない。
そんな卑怯な自分が許せなかった。


壁に私を押し付けたまま大地がキスをする。
今までされたことのない怒りを含んだキスだった。
荒くて乱暴で、愛情なんて一欠片もないキス…


「やめて！」


「さっきキスしろって言ったのはお前だろ」


「嫌…！」


大地が私を押し倒そうとした。
圧倒的な力になす術もなく床に倒れ込む。
大地が首筋に顔を埋めた。


「やめて！」


キャミソールを捲られギュッと力任せに胸を掴み揉まれた。
痛くて怖くてガタガタ震える。


「ヤダ大地！」



それでも必死で抵抗していると大地の重みががふいに緩む。


「やめろ大地、真優ちゃん嫌がってるだろ」


「……大友」


目に溜まっていた涙がポロリと零れた。
はだけた胸元を慌てて直すと大友くんが大地の手を離す。


「…お取り込み中悪いけど大地、それじゃレイプだから。…何があったかは知らないけど真優ちゃん、今日のところは帰ったら？」


「………」


「冷静な時じゃなきゃ正しい話し合いはできない。…な、大地」


「………」


確かにそうだ。
私は大友くんに頭を下げると大地に言った。



「…ごめん、今日は帰る。またちゃんと…話そう」


大地は何も言わず放心したように座り込んでいる。



一刻も早くここから帰りたくて小走りで大地の部屋を出た。