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第21章 浮気の境界線

「…何があったんだよ」


大友が俺を問い詰めた。


「………」


「沙映子か」


「………」


「真優ちゃん裏切ったのか」


「最後までしてねーよ。そもそも記憶にないし…それに裏切ってたのは真優も一緒」


「え、真優ちゃん浮気？」


「……付き合う前の話らしい」


大友は一瞬止まってプッと笑った。


「ナニおまえ処女信者？」


「別にそうじゃねーし…それにあいつの初めては俺だから」


「なら問題なくね？」


「………」


「付き合う前の話ならおまえ口出しする権利なくない？」


「…あいつ今まで付き合ってた男なんていなかったんだよ」


「………」


「俺たち幼馴染みでさ、ほんのヨチヨチ歩きの頃からの付き合いで…付き合いの長さだけは無駄に長いんだ」


「へぇ」


「だから余計許せないっつーか」



大友に真優との馴れ初めを話したのは初めてだった。


「自分を棚に上げてか？」


「………」


大友が俺の腕を引っ張り立たせようとする。


「ま、何があったか話せよ。相談くらいは乗ってやるから」



「…つーか何でおまえ居るんだよ」


「心配したんだよ、沙映子がおまえ狙ってたから



「………」


「気づかなかったのか？」


「あいつサバサバしてるから男友達のノリだって…」


「サバサバねぇ…」


大友は深いため息をついて俺に言った。


「大地、おまえホント馬鹿だな」


「喧嘩売ってんのか？」


「いや、でも馬鹿だよおまえ」