この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
恋セヨ乙女
第21章 浮気の境界線
「じゃあね、真優。また月曜日」
別れ際、とあることを思い出してサナちゃんを呼び止めた。
「サナちゃん、そういえば吉野先生ってどうしたんですか?」
「吉野先生?…ああ、辞めたわよ。真優たちが卒業した次の年でね」
……やっぱり辞めたんだ。
まさかとは思うけど生徒に手を出してそれがバレてなんて最悪な理由じゃないよね?…なんて失礼なことを思い浮かべた。
でもサナちゃんの口から出たのは私の想像とは間逆なものだった。
「ずっと悩んでたんだよね、彼も。あの容姿だから過激な生徒に迫られたりして…自分はこういうことがしたくて教師になったんじゃないのにってよく言ってたわ」
「えっ…」
「その度に岩尾先生に目ぇつけられて。…ま、岩尾はやっかみが八割だったんじゃないかと思うんだけど」
「………」
「女子校は自分には向いてないってそれはもう口癖のように…」
「…言い寄る生徒摘まんじゃったりしなかったんですかね」
「ない!ないない!あの人ああ見えて真面目だったのよ。熱心だったし」
「………」
「あー…今だから言うけど真優と二人でウチ来た時あったでしょ?あの時だけは違ってたの。…だから私てっきり二人はそういう関係なのかと…」
「ええっ!?」
「だから吉野先生に牽制までしちゃったんだけど…」
「何ですかその話…」
びっくりした。
私の前では先生はいつも「あんな先生」だったから。
「……もしかしたら吉野先生にとって真優は特別だったのかもね」
「そんな…」
「惜しいよね、あと三年勤めてれば真優とまた出会えたのに」
「何を言ってるんですか」
茶化すサナちゃんにどう反応していいのか分からなかった。
別れ際、とあることを思い出してサナちゃんを呼び止めた。
「サナちゃん、そういえば吉野先生ってどうしたんですか?」
「吉野先生?…ああ、辞めたわよ。真優たちが卒業した次の年でね」
……やっぱり辞めたんだ。
まさかとは思うけど生徒に手を出してそれがバレてなんて最悪な理由じゃないよね?…なんて失礼なことを思い浮かべた。
でもサナちゃんの口から出たのは私の想像とは間逆なものだった。
「ずっと悩んでたんだよね、彼も。あの容姿だから過激な生徒に迫られたりして…自分はこういうことがしたくて教師になったんじゃないのにってよく言ってたわ」
「えっ…」
「その度に岩尾先生に目ぇつけられて。…ま、岩尾はやっかみが八割だったんじゃないかと思うんだけど」
「………」
「女子校は自分には向いてないってそれはもう口癖のように…」
「…言い寄る生徒摘まんじゃったりしなかったんですかね」
「ない!ないない!あの人ああ見えて真面目だったのよ。熱心だったし」
「………」
「あー…今だから言うけど真優と二人でウチ来た時あったでしょ?あの時だけは違ってたの。…だから私てっきり二人はそういう関係なのかと…」
「ええっ!?」
「だから吉野先生に牽制までしちゃったんだけど…」
「何ですかその話…」
びっくりした。
私の前では先生はいつも「あんな先生」だったから。
「……もしかしたら吉野先生にとって真優は特別だったのかもね」
「そんな…」
「惜しいよね、あと三年勤めてれば真優とまた出会えたのに」
「何を言ってるんですか」
茶化すサナちゃんにどう反応していいのか分からなかった。