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恋セヨ乙女
第22章 新生活
私の驚きはそれだけでは終わらなかった。
就職先の学校に初めて出勤した日…
「鈴村です。国語を担当させていただきます、よろしくお願いします」
今年の採用は私一人。
しかも男子校だけあってか圧倒的に男性が多く非常勤や事務、養護教員合わせ60人程の職員規模なのに、女の人は保健の先生と事務職員さんと私の3人だけという寂しさ。
そして保健の先生と事務職員さんは50代後半という…
………超不安。
「鈴村先生…下のお名前は?」
「真優です」
「…真優先生、可愛い名前だねぇ」
教頭の鼻の下がデレッと伸びる。
「真優先生には二年の副担についてもらいたいんですが…誰か面倒見てくれる人いますかね?」
お荷物みたいな扱いにカチンときながら担任決めってこんなアバウトなんだなあと思ったりした。
一学年は8クラス。
二年から文系コースと理系コースに別れるらしい。
できるなら文系コースがいいなあなんて思ってみるが、二年生の担当の半分が校長の言葉に目を反らした。
「私が見ましょう!」
その中で名乗り出てくれたのは白いポロシャツから覗く上腕二頭筋が逞しいいかにも「体育」な先生。
「日本史担当の中村です!」
……日本史!?
嘘だ~と心の中で思いながら愛想笑い。
「ぼ、僕も!いいです」
怖々手を挙げたのは眼鏡の奥の目が妖しい小柄で細身な先生。
「数学の宮下です」
…………
「ほほっ、真優先生はモテますなぁ」
校長がニコニコ無邪気に喜んだ。
「はぁ…」
これって…私に決めろって事だろうか。
恋愛ゲームのキャラ選択みたいな究極の二択に困惑していると…
「俺が見ます。…彼女教え子なんで」
突然割り込まれた台詞。
その声にドキッとして振り向いた。
「吉野先生…!?」
先生は私の隣に来てわずかに微笑む。
「教え子…前の学校のかい?」
「はい、なので俺に育てさせてください」
「………」
頬が熱い。
不安だった心に先生の気遣いが嬉しすぎる。
就職先の学校に初めて出勤した日…
「鈴村です。国語を担当させていただきます、よろしくお願いします」
今年の採用は私一人。
しかも男子校だけあってか圧倒的に男性が多く非常勤や事務、養護教員合わせ60人程の職員規模なのに、女の人は保健の先生と事務職員さんと私の3人だけという寂しさ。
そして保健の先生と事務職員さんは50代後半という…
………超不安。
「鈴村先生…下のお名前は?」
「真優です」
「…真優先生、可愛い名前だねぇ」
教頭の鼻の下がデレッと伸びる。
「真優先生には二年の副担についてもらいたいんですが…誰か面倒見てくれる人いますかね?」
お荷物みたいな扱いにカチンときながら担任決めってこんなアバウトなんだなあと思ったりした。
一学年は8クラス。
二年から文系コースと理系コースに別れるらしい。
できるなら文系コースがいいなあなんて思ってみるが、二年生の担当の半分が校長の言葉に目を反らした。
「私が見ましょう!」
その中で名乗り出てくれたのは白いポロシャツから覗く上腕二頭筋が逞しいいかにも「体育」な先生。
「日本史担当の中村です!」
……日本史!?
嘘だ~と心の中で思いながら愛想笑い。
「ぼ、僕も!いいです」
怖々手を挙げたのは眼鏡の奥の目が妖しい小柄で細身な先生。
「数学の宮下です」
…………
「ほほっ、真優先生はモテますなぁ」
校長がニコニコ無邪気に喜んだ。
「はぁ…」
これって…私に決めろって事だろうか。
恋愛ゲームのキャラ選択みたいな究極の二択に困惑していると…
「俺が見ます。…彼女教え子なんで」
突然割り込まれた台詞。
その声にドキッとして振り向いた。
「吉野先生…!?」
先生は私の隣に来てわずかに微笑む。
「教え子…前の学校のかい?」
「はい、なので俺に育てさせてください」
「………」
頬が熱い。
不安だった心に先生の気遣いが嬉しすぎる。