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恋セヨ乙女
第22章 新生活
「それなら気心も知れて真優先生もやりやすいんじゃないですかね」
「しかし…若い二人が組むよりはベテランと組んだ方が…」
「いや、私たちに異議はありませんよ。吉野先生、新人指導頼みますよ」
パッと目を反らしたオジサン先生がフォローするように吉野先生を持ち上げる。
「はい」
……押し付けられたと思った。
でも先生と組めて嬉しくないわけがない。
「…ってことでよろしくね、“真優センセイ”」
「は、はい!よろしくお願いします!!」
―――それから生徒のクラス分けをしたり新学期の準備をしたり。
私は殆ど吉野先生の助手のように手帳片手に話を聞いているだけだったけど。
この学校は基本教師の残業は禁止らしく6時には全職員全生徒が帰ることになっている。
帰り道が同じ先生と私は必然的に一緒に帰ることになり…
「びっくりしましたよ。先生がまさかいるなんて」
先生は何も言わずに笑っていた。
「知ってたんですか?先生は」
「新卒の女の子採ったってことはかなり噂になってたからね。…その時は鈴村さんだとは思わなかったけど管理会社から来るアパートの入居者情報で知って驚いた」
「…そこからなんですね」
確かに勤務先を書く欄があったと思い出す。
「まさか教師になったとはね」
「フフっ」
二人で歩く速度は春の陽気みたいに穏やかで心地いい。
…男の人と居てこんな気持ちになるのはどれくらいぶりだろう。
大地とは暫くギスギスしてたから……
「あの彼は?仲良くやってるの?」
ふいに大地のことを振られ苦笑い。
「別れました」
「…そうなんだ。悪いこと聞いたね」
「そこまだ痛点ですね」
私の返しは冗談だったのか本心なのか…
私にも分からない。
「しかし…若い二人が組むよりはベテランと組んだ方が…」
「いや、私たちに異議はありませんよ。吉野先生、新人指導頼みますよ」
パッと目を反らしたオジサン先生がフォローするように吉野先生を持ち上げる。
「はい」
……押し付けられたと思った。
でも先生と組めて嬉しくないわけがない。
「…ってことでよろしくね、“真優センセイ”」
「は、はい!よろしくお願いします!!」
―――それから生徒のクラス分けをしたり新学期の準備をしたり。
私は殆ど吉野先生の助手のように手帳片手に話を聞いているだけだったけど。
この学校は基本教師の残業は禁止らしく6時には全職員全生徒が帰ることになっている。
帰り道が同じ先生と私は必然的に一緒に帰ることになり…
「びっくりしましたよ。先生がまさかいるなんて」
先生は何も言わずに笑っていた。
「知ってたんですか?先生は」
「新卒の女の子採ったってことはかなり噂になってたからね。…その時は鈴村さんだとは思わなかったけど管理会社から来るアパートの入居者情報で知って驚いた」
「…そこからなんですね」
確かに勤務先を書く欄があったと思い出す。
「まさか教師になったとはね」
「フフっ」
二人で歩く速度は春の陽気みたいに穏やかで心地いい。
…男の人と居てこんな気持ちになるのはどれくらいぶりだろう。
大地とは暫くギスギスしてたから……
「あの彼は?仲良くやってるの?」
ふいに大地のことを振られ苦笑い。
「別れました」
「…そうなんだ。悪いこと聞いたね」
「そこまだ痛点ですね」
私の返しは冗談だったのか本心なのか…
私にも分からない。