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恋セヨ乙女
第22章 新生活
「ワンコ!マユちゃん!?」
先生が持ったピンク色のリードの先にはぬいぐるみみたいなトイプードルがパタパタ尻尾を振りながらこっちを見ていた。
「少し暗くなっちゃうけど散歩行くよ」
「……はい」
「ついでにこの辺も少し案内する」
先生は踵を翻した。
私も慌てて先生に並ぶ。
群青に近い空は散歩をするには少し遅い気がするけれど、先生の優しさが嬉しかった。
「マユのお気に入りはこの土手沿いのコースなんだ」
階段下の川沿いが公園みたいに整地された桜並木のサイクリングロード。
その階段を降りて川沿いを歩いた。
「綺麗な場所ですね」
階段上の桜並木には高校生のカップルが自転車を漕いでいる。
その光景は無邪気で懐かしくて、切なかった。
「…男子校、どんな感じですか?」
「女子校より綺麗、意外と」
「…男の子ばっかりって…不安です」
「セクハラはされるだろうな、確実に」
「………」
「悪気のある奴ない奴、冗談半分な奴本気な奴…千差万別だろうな」
不安だ、やっぱり…
「でも皆根はいい奴らだよ。まだ無邪気で…だからちゃんと中身見てやって」
「はい…」
「新人だからってナメられてもあいつらからしたら鈴村さんは先生だから。きっとちゃんと向き合えばいい関係は作れるはず」
「………」
「なんてね、本当はすげー大変だと思うよ。子どもといえど異性ばっかりの中に入っていくってさ」
先生は目を細めて遠くを見つめる。
「思春期だし、極端な環境で一番身近な異性だから勘違いもしやすい。…俺と違うところは鈴村さんは女性だから隙は作らない方がいいかもしれない」
「はい…」
「でも…できる限りのサポートはするから最初からそんなに不安にならなくていいと思う」
「……はい」
先生が持ったピンク色のリードの先にはぬいぐるみみたいなトイプードルがパタパタ尻尾を振りながらこっちを見ていた。
「少し暗くなっちゃうけど散歩行くよ」
「……はい」
「ついでにこの辺も少し案内する」
先生は踵を翻した。
私も慌てて先生に並ぶ。
群青に近い空は散歩をするには少し遅い気がするけれど、先生の優しさが嬉しかった。
「マユのお気に入りはこの土手沿いのコースなんだ」
階段下の川沿いが公園みたいに整地された桜並木のサイクリングロード。
その階段を降りて川沿いを歩いた。
「綺麗な場所ですね」
階段上の桜並木には高校生のカップルが自転車を漕いでいる。
その光景は無邪気で懐かしくて、切なかった。
「…男子校、どんな感じですか?」
「女子校より綺麗、意外と」
「…男の子ばっかりって…不安です」
「セクハラはされるだろうな、確実に」
「………」
「悪気のある奴ない奴、冗談半分な奴本気な奴…千差万別だろうな」
不安だ、やっぱり…
「でも皆根はいい奴らだよ。まだ無邪気で…だからちゃんと中身見てやって」
「はい…」
「新人だからってナメられてもあいつらからしたら鈴村さんは先生だから。きっとちゃんと向き合えばいい関係は作れるはず」
「………」
「なんてね、本当はすげー大変だと思うよ。子どもといえど異性ばっかりの中に入っていくってさ」
先生は目を細めて遠くを見つめる。
「思春期だし、極端な環境で一番身近な異性だから勘違いもしやすい。…俺と違うところは鈴村さんは女性だから隙は作らない方がいいかもしれない」
「はい…」
「でも…できる限りのサポートはするから最初からそんなに不安にならなくていいと思う」
「……はい」