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第23章 家庭訪問

「真優、大ちゃんよ…」


玄関から戻ってきたお母さんが心配そうに私に伝える。


……帰ってきてたんだ、大地。
こういう時、幼馴染みって本当に困る。



「会えないって言って」


「でも…」


「会いたくないって」



私は頑なだった。
あれからどんなに大地が来ても絶対に会わなかった。



「真優…」


お母さんは詳しくは聞かないけどかなり心配してるだろう。
誰もが言葉に詰まってリビングはシンと静まり返る。


「…話しておいでよ」


空気を壊したのは先生だった。


「話して…ちゃんと終わらせてあげな」


「………」


「大丈夫、俺もいるから」


「………」


あれから約一年。
大地に会うのは正直怖かった。
でも、このままじゃダメなのだろう。


先生に小さく頷いて玄関に向かう。


緊張で胸が痛いくらいに鳴っていた。