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恋セヨ乙女
第23章 家庭訪問
「……真優」


久しぶりに会った大地は少し髪が短くなっていて、引き締まった印象を受けた。
社会人なんだな…って。


「久しぶり」


「………」


「どうしたの?」


「いや…今日も会ってもらえないと思ってたから…」


初めて見る大地の表情、それは泣きそうにも見えた。



「あのさ、話あるんだけど…ちょっといいか?」


「………」


少し戸惑って頷いた。
私と大地はそのまま外に出る。


よそよそしく私たちは歩いた。
自然と足を向けたのは子供の頃遊んだ公園だった。



「高校教師になったんだって?」


「うん、…大地は?」


「商社勤務。今は大阪に居る」


「…そっか」


「おまえと居たくてこっちで就職探したのに皮肉なもんだよな」


自虐的な物言い。
大地はこんな風に自分を責めてきたのだろうか。


「あの子とは?付き合ってるの?」


「付き合ってねーよ」


「………」


「なあ…真優、本当にごめん」


大地が私に頭を下げた。


「謝って許されることじゃないってよく分かってる。でもおまえに振られて離れて…思ったんだ。やっぱり俺、真優じゃないとダメだ」


「………」



「もう絶対あんなことしない。一生真優だけだって誓うから…」


大地の熱い想いは伝わった。
でも裏腹で勝手だなって思ってた。


「……俺と大阪に行かないか?」


「……えっ?」


「すぐにとは言わない。仕事の切りがつくなら来年だって…」


「それってどういう意味?」


頭が混乱する。
大地は何が言いたいのだろう。


「俺は真優に側に居てほしい。戻れるなら…結婚しよう」



結婚…
随分飛躍するんだななんて私は冷静だった。
その結論がどう導き出されたのか、私には分からないけど…


「随分話が飛ぶんだね」


「勿論すぐって訳じゃない。でも俺は近い将来でそう考えてる」


「………」


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