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恋セヨ乙女
第23章 家庭訪問
「私は……」


楽しかった。
大地と一緒に過ごした日々……


あの頃のままでいられたなら私は大地の申し出に二つ返事で着いていっただろう。


「……ごめんなさい。やり直すこともできないし着いていくこともできない」


「………」


大地の表情が消えた。
それは少なからず私の胸も痛めつける。


「どうしてもか?」


「もう無理だよ」


「俺は真優の事…」


大地が私の腕を掴む。その力はとても強くて怖いと思った。


「大地、痛い」


「好きだ真優」


大地が唇を狙う。
先生に触れられたそこにキスされるのは嫌だと咄嗟に思った。


「嫌、大地やめて」


「どうしてだよ、おまえキス好きだったろ?」


「でももうそういう関係じゃない!」


大地の掴む力が更に強くなる。







「…もうやめろ、みっともない」


静かな声に大地が私から離された。
驚いて見るとそれは先生で。


先生は静かに、でも怒りを含んだ空気を纏う。


「……どうしてアンタが」


「………」


「そういうことか?そういうことだったのかよ」


大地が今度は肩を掴んだ。


「教育実習でくっついたのか?あの日俺のとこに来たのは別れ話でもするつもりだったんだろ!?」


「違う!」


「被害者ぶってとんでもねーな真優」


涙が落ちる。
……もうあの頃の大地じゃない。
私の好きだった優しくて頼もしい大地じゃ…


「やめろ、おまえも惨めになるだけだろ」


「アンタも大概だな。ああ…でも卒業したら手を出すって言ってたっけ?」


「大地、もうやめて」


先生を責めるのだけはやめてほしい。
先生は関係ないんだから…


「真優の身体、最高だったろ?こんな癖にベッドの中ではすげーエロ…」


「やめて大地!」




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