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恋セヨ乙女
第23章 家庭訪問
「…私、彼とは幼馴染みだったんです。小さい頃からずっと一緒で…」
「うん、」
「もし大学時代も大地の側にずっと居たら違ってたんでしょうか…」
あの頃の楽しいままで…
そしたら大地だって変わることなく私の好きな大地のままだったかもしれない。
「…どうかな、近くに居てもダメになるヤツはダメになるし離れてても続くヤツは続く」
「………」
「鈴村さん、散歩行こうか」
先生が手を差し出す。
「案内して、鈴村さんの生まれた町」
「……鞠華さんに案内してもらって知ってるんじゃないですか?」
「俺、アイツんちあんまり来なかったし…来てもフラフラしなかったから」
先生は私の手を取った。
イメージ、冷たそうな先生の手は温かくてボロボロ涙が零れ落ちる。
「これリード代わりね」
「私…マユじゃない」
「“真優”だもんな。…でもどこにも行かないように念のため」
それから先生と歩いた。
私の通った小学校とか中学とか…
放課後よく通った駄菓子屋、仲の良い友達の家……
先生はその一つ一つをちゃんと聞いてくれた。
先生と居るとすごく穏やかな気持ちになれた。
繋いだ手は二人の体温が溶け合って、ずっと離したくないと思った。
……私、先生が好きだ。
「………」
「ん?」
「…ううん、」
この想いを言葉にしていいものか迷う。
「…鈴村さん、昨日の話撤回」
「え?」
「後悔してないなんて嘘、本当はすごく後悔してる」
「………」
チクンと胸が痛んで先生を見上げると先生も私を見ていた。
「…本当はあの時鈴村さんを俺のものにしとけば良かったって思ってた。今日、アイツの話聞いたら尚更…」
「………」
手を繋いだまま先生がまたキスをする。
唇から身体中粟立つような甘い刺激が走り抜けた。
「俺のキスは拒まないの?」
「うん…」
「そう…」
それ以上先生は何も言わない。
私も胸がいっぱいで何も言えなかった。
「うん、」
「もし大学時代も大地の側にずっと居たら違ってたんでしょうか…」
あの頃の楽しいままで…
そしたら大地だって変わることなく私の好きな大地のままだったかもしれない。
「…どうかな、近くに居てもダメになるヤツはダメになるし離れてても続くヤツは続く」
「………」
「鈴村さん、散歩行こうか」
先生が手を差し出す。
「案内して、鈴村さんの生まれた町」
「……鞠華さんに案内してもらって知ってるんじゃないですか?」
「俺、アイツんちあんまり来なかったし…来てもフラフラしなかったから」
先生は私の手を取った。
イメージ、冷たそうな先生の手は温かくてボロボロ涙が零れ落ちる。
「これリード代わりね」
「私…マユじゃない」
「“真優”だもんな。…でもどこにも行かないように念のため」
それから先生と歩いた。
私の通った小学校とか中学とか…
放課後よく通った駄菓子屋、仲の良い友達の家……
先生はその一つ一つをちゃんと聞いてくれた。
先生と居るとすごく穏やかな気持ちになれた。
繋いだ手は二人の体温が溶け合って、ずっと離したくないと思った。
……私、先生が好きだ。
「………」
「ん?」
「…ううん、」
この想いを言葉にしていいものか迷う。
「…鈴村さん、昨日の話撤回」
「え?」
「後悔してないなんて嘘、本当はすごく後悔してる」
「………」
チクンと胸が痛んで先生を見上げると先生も私を見ていた。
「…本当はあの時鈴村さんを俺のものにしとけば良かったって思ってた。今日、アイツの話聞いたら尚更…」
「………」
手を繋いだまま先生がまたキスをする。
唇から身体中粟立つような甘い刺激が走り抜けた。
「俺のキスは拒まないの?」
「うん…」
「そう…」
それ以上先生は何も言わない。
私も胸がいっぱいで何も言えなかった。