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恋セヨ乙女
第23章 家庭訪問
「親父にもいろんな話をしてもらったよ。宇宙や自然、動物の話…俺は親父みたいな教師になりたいと思ったんだ」
―――――いつか鞠華さんに聞いた話。
先生には信念があるんだって…
「…で、最初に就職したのがあの学校で…参ったよ。生徒は俺を男として見るんだな」
先生はずっと私の髪に触れていた。
「今だから言えるけど押し倒されたこともある。…過激なんだよ、思い詰めた女子は」
「………」
「鈴村さんからしたら俺が何言ってるんだって感じだよな」
私は小さく首を振る。
「先生、卒業式に聞いたじゃないですか。他の子にもこんなことしてたのかって」
「ああ…」
「ごめんなさい」
「………」
「私、先生が少しだけ分かった気がします」
きっと真面目で繊細な人。
器用そうに見えて本当はそうでもなくて、
仕事に熱意と誇りを持っている…
もっと知りたいと思った、先生の事…
先生は髪から手を離し「ありがとう」と言った。
その表情が愛しくて抱きしめたいと思う。
でも…私にその権利はないから。
「鈴村さん、一緒に寝る?」
「…寝ません」
「ダメか」
おどける先生を布団に促して和室を出た。
今日、先生と一緒に来れて良かった。
また少し先生に近づけた気がするから…
―――――いつか鞠華さんに聞いた話。
先生には信念があるんだって…
「…で、最初に就職したのがあの学校で…参ったよ。生徒は俺を男として見るんだな」
先生はずっと私の髪に触れていた。
「今だから言えるけど押し倒されたこともある。…過激なんだよ、思い詰めた女子は」
「………」
「鈴村さんからしたら俺が何言ってるんだって感じだよな」
私は小さく首を振る。
「先生、卒業式に聞いたじゃないですか。他の子にもこんなことしてたのかって」
「ああ…」
「ごめんなさい」
「………」
「私、先生が少しだけ分かった気がします」
きっと真面目で繊細な人。
器用そうに見えて本当はそうでもなくて、
仕事に熱意と誇りを持っている…
もっと知りたいと思った、先生の事…
先生は髪から手を離し「ありがとう」と言った。
その表情が愛しくて抱きしめたいと思う。
でも…私にその権利はないから。
「鈴村さん、一緒に寝る?」
「…寝ません」
「ダメか」
おどける先生を布団に促して和室を出た。
今日、先生と一緒に来れて良かった。
また少し先生に近づけた気がするから…