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恋セヨ乙女
第23章 家庭訪問
楽しかったGWも終わり、数週間が過ぎた頃。
学校を出るとポツリポツリと雨が降り始めた。
「やだ、傘持ってない」
「雲行きも怪しいな」
私たちは足早に家路を急ぐ。
雨が強くなり始めたのは家までもう少しというところだった。
おまけに季節外れの雷まで鳴り始め、走ってアパートに着く頃にはすでに服が肌に張り付くような状態だった。
「じゃ、鈴村さんまた明日」
「はい、風邪引かないように!」
手短に別れアパートの階段を駆け上がる。
「うわ…下着までビショビショ…気持ち悪」
矢のような雨から逃れ鍵の入ったポーチを探すも鞄の中に見当たらない。
「やだ、ない!?」
モワモワと記憶を巡らせると鍵の他に判子も入ったそのポーチから書類に判を押し、学年主任に呼ばれ慌てて机の引き出しにしまった記憶が蘇った。
「あ、学校…」
ガックリと肩を落としてどうしようか考える。
雨が止んだら学校に取りに戻るしかないのだろうか…
それにしても一向に雨足は弱まらず、雷は確実に近づいている。それもかなり至近距離で。
取り立てて雷が怖い訳じゃないけどこれはさすがに……
バリバリバリバリ!!!!
「きゃっ!! 」
思わずしゃがんで身を縮めた。
灰色の空を切り裂く稲妻はこの町に落ちている。
地響きのようなすざましい轟音に心細くなった。
RRRRR…
その小さな着信に気づいたのは奇跡だと思う。
「もしもし」
「鈴村さん?俺…大丈夫?さっきの―……」
バリバリ鳴る雷は電話をも邪魔する。
聞き取りにくい先生の声を懸命に聞いた。
少しだけ心細さが和らいで、命綱みたいなスマホをぎゅっと耳にあてる。
「あの…実は鍵忘れちゃって…家に入れなくて…っ」
バリバリバリバリ!!!バリバリバリバリ!!!
また大きな雷が落ちた。
「キャッ!!!」
辺りが明るくなるくらい近くて大きくて、私の不安
は跳ね上がる。
気づけばその一瞬で電話は切れ、そのメーターは振り切れそうな程だった。
学校を出るとポツリポツリと雨が降り始めた。
「やだ、傘持ってない」
「雲行きも怪しいな」
私たちは足早に家路を急ぐ。
雨が強くなり始めたのは家までもう少しというところだった。
おまけに季節外れの雷まで鳴り始め、走ってアパートに着く頃にはすでに服が肌に張り付くような状態だった。
「じゃ、鈴村さんまた明日」
「はい、風邪引かないように!」
手短に別れアパートの階段を駆け上がる。
「うわ…下着までビショビショ…気持ち悪」
矢のような雨から逃れ鍵の入ったポーチを探すも鞄の中に見当たらない。
「やだ、ない!?」
モワモワと記憶を巡らせると鍵の他に判子も入ったそのポーチから書類に判を押し、学年主任に呼ばれ慌てて机の引き出しにしまった記憶が蘇った。
「あ、学校…」
ガックリと肩を落としてどうしようか考える。
雨が止んだら学校に取りに戻るしかないのだろうか…
それにしても一向に雨足は弱まらず、雷は確実に近づいている。それもかなり至近距離で。
取り立てて雷が怖い訳じゃないけどこれはさすがに……
バリバリバリバリ!!!!
「きゃっ!! 」
思わずしゃがんで身を縮めた。
灰色の空を切り裂く稲妻はこの町に落ちている。
地響きのようなすざましい轟音に心細くなった。
RRRRR…
その小さな着信に気づいたのは奇跡だと思う。
「もしもし」
「鈴村さん?俺…大丈夫?さっきの―……」
バリバリ鳴る雷は電話をも邪魔する。
聞き取りにくい先生の声を懸命に聞いた。
少しだけ心細さが和らいで、命綱みたいなスマホをぎゅっと耳にあてる。
「あの…実は鍵忘れちゃって…家に入れなくて…っ」
バリバリバリバリ!!!バリバリバリバリ!!!
また大きな雷が落ちた。
「キャッ!!!」
辺りが明るくなるくらい近くて大きくて、私の不安
は跳ね上がる。
気づけばその一瞬で電話は切れ、そのメーターは振り切れそうな程だった。