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恋セヨ乙女
第23章 家庭訪問
冷蔵庫を覗きながら作れそうなものをいくつか思い浮かべてみる。


腰を屈め野菜室を見ると後ろから視線を感じた。


「…何ですか?」


「いい眺めだなと思って」


「エッチ!」


お尻の部分のシャツを引っ張って隠すと「それもいいな」と先生は嬉しそう。


「何でYシャツなんですか?違う服貸してください」


「ダメ」


「どうして」


「俺が鈴村さんのそういう姿見たいから」


「………」


「チラリズムっていうの?見えそうで見えないとかそそるだろ?」


「…そそられてるんですか?」


「まぁキッチンではエプロンの方がいいけどね」


その言葉はどう聞いても意味深にしか聞こえなくて。


「は、裸エプロンとか絶対しないですよ!」


「別に裸にとは言ってないけど?鈴村さんやっぱエロいな」


「!!!」


恥ずかしい…
真っ赤な私を先生が笑うのがまた恥ずかしい。




材料を並べ調理に取りかかる。


「何作るの?」


「お肉があるから炒めます」


「ふうん…」


「あ、髪の毛」


リビングに戻りバッグからシュシュを出して髪をまとめようとした。


「俺が縛ってあげるよ」


「できるんですか?」


「多分。…ちょっとやってみたい」


「じゃあ…」


先生にシュシュを渡すとぎこちない手つきで髪をまとめる。
ソフトな指先がうなじに触れ、甘い息を溢させる。


「ん…」


「………」


「あっ…… 」


「………その声、どうにかならないかな」


「あっ…ごめんなさい」


慌てて口を押さえると先生が苦笑いして言った。


「これでも精一杯抑えてるから」


「………」





『俺のこともっと好きになりな』



さっきの言葉を思い出す。
先生も先生なりの抑える理由があるのだろうか。
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