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恋セヨ乙女
第23章 家庭訪問
それから少し経った6月のある土曜日。
買い物に行こうと外に出ると先生のお母さんが花の手入れをしていた。


「こんにちは」


「あら、こんにちは」



先生のお母さんは良く見るとどこか先生に似ている。
親子なのだから当たり前なのだけど…


「綺麗ですね」


お母さんの隣に屈んで花を覗き込む。


「この星形のお花は何ていうんですか?」


「これはね、カンパニュラアルペンブルーっていうの」


「可愛い花だなって思ってました」


「フフッ」


……あれから先生のお母さんは何かと話してくれる。
あんな姿を見せたのに心の広い人だ。


「鈴村さんはお出掛け?」


「服でも見に行こうかと思って」


「お友だちと?」


「いえ、一人ですけど」



お母さんの目がパッと輝く。


……もしかして一緒に行きたい?



「……お母さんも行きますか?」


「あら、あらあら。いいのかしら!」


お母さんはじょうろを放り投げて立ち上がった。


「ちょっと用意してくるから待っててね!」


急いで戻る後ろ姿を本当に可愛らしいなあと見ていた。




それから10分。
お母さんはお出掛けモードでやってくる。


「お待たせ、変じゃないかしら」


「全然、今日も可愛いですよ」


「鈴村さんは口が上手いのね」


照れてバチンとお母さんが私を叩く。
うん、この辺はお母さん世代だよね。



それから私と先生のお母さんはショッピングモールに出掛けた。


「今日は何を買うの?」


「学校に着ていく服とか、あと他にも夏物を買おうと思います」
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