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恋セヨ乙女
第25章 真優と恭也
全てのお皿を運び終えると向かい合って手を合わせ、ご飯を食べる。


先生は私の料理を「美味い」と喜んでくれて…



それから、あの雨の時みたいに二人でお皿を洗い、今はお茶を飲みながらまったりと過ごしているのだけど…



「……」



緊張する。
時間が過ぎていくほどにその時を意識してしまって今、私は動作がぎこちないんじゃないかって思う。


対して先生は至って普通で…



私だけ?



「………」



意識しすぎ?



先生を見ると変わらず雑誌を読んでいる。
先生にとってはそこまで緊張することではないのだろうか。



「何ソワソワしてるの?」


「えっ…」


顔を上げると先生が私を覗いていた。
その表情には私をからかうような余裕さえ見て取れる。



「意識してるんだ」


「………」


ズバリと言い当てられて頬に熱が集まった。
そんな私を見て先生が可笑しそうに笑い頬に触れた。


「真っ赤、しかも熱い」


「………」


「上、行く?」


硬直するくらい緊張して、首を縦に振るのが精一杯だった。


先生が私の手を取り立ち上がる。


気配を感じたマユが小さく尻尾を振って私たちを見上げていた。



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