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恋セヨ乙女
第26章 深まる二人
先生と私の話で盛り上がるお母さんと生徒さん。
チラッと先生を見ると微妙な顔をしてるのが可笑しかった。


それからも人は増え、何となく皆知り合いっぽい感じてワイワイお昼を食べて…


夕方にはまた違う人たちがやって来て。


私はすっかり「恭也の嫁」認定で…




夕方の人たちは昼間来た人たちより若い世代。
先生とそんなに変わらない年代なんじゃないかと思う。


「恭くん、もっと飲む?」


……妙に馴れ馴れしいお姉さんもいたりして。


「あー、じゃあ」


先生に寄り添うお姉さん。
この人、絶対先生の事好きだよね?って思う。


「いつの間に彼女出来たのー?やだもう」


「今年の春?」


「えーっ最近!?私が誘っても全然付き合ってくれなかったのに~」



「………」



先生もなんか普通だし、ずっとこんな感じだったのかな…


嫌だな、なんて嫉妬したりして。
今だってベタベタ先生の事触ってるし…


「マキちゃん、もう恭也は真優ちゃんのものよ」


「晶子さんもひどいですよー。私の気持ち知ってるのにー!」


「……私関係ないじゃない」


ボソッと黒いお母さんが呟くけど「マキさん」はお構いなしだ。


「マキちゃん飲みすぎ」


「じゃあ恭くんがイロイロ介抱してくれる?」


「あー、残念。俺基本好きな子以外の面倒見れないから」


「えーっ、ヒドイ!さりげなくヒドイ!!」




……そしてサラッと嬉しいこと言っちゃうんだからズルいよね。



先生とマキさんを横目におとなしくビールを飲んでいると隣のお兄さんが苦笑いして話しかける。



「許してやって、マキはあれでも色々大変なんだよ」


「………」


「アイツ高一の時妊娠してさ、そのまま退学して子供産んで一人で育てて…先生も最後まで気にしてた子なんだ」


そしてマキさんに尋ねる。


「マキ!耀太いくつになったんだよ」


「……高校生」


マキさんはブスッと答えた。


「へえ、もう高校生なんだ?」


「そう。でも学校あんまり行ってない」


「どうして?」


「知らない」


マキさんのテンションが明らかに下がる。


「…いいの、耀太の話なんて。ねー、恭くん」



息子さんを“耀太の話なんて”なんて…
私は彼女を知らないけど悲しい気持ちになった。









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