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恋セヨ乙女
第26章 深まる二人
「お邪魔しました」


「気を付けてね」


「恭くん、またね」


「マキちゃんも頑張って」


「………」




玄関でお母さんと先生と一緒に皆さんを送り出す。


「今年も賑やかだったな」


「お父さんも喜んだでしょ」


「洗い物しちゃいましょうか」


「途中細々洗ってもらってたからもう大丈夫よ~、真優ちゃんも今日はゆっくり休んで」


「えっ…でも」


「いいのいいの、ホラ恭也」


お母さんが先生に私を託すと先生が頷く。


「母さんもこう言ってるし…上行く?」


「いえ…今日は帰ります」


そのまま靴を履くと先生も慌てて靴を履く。


「送る」


「近いから平気ですよ。恭也さんも疲れたでしょ?」


「いや、送る」


いつもより強い口調で先生が言った。


「…じゃあお願いします」


お母さんに挨拶して外に出ると先生が手を握った。


「今日はお疲れ様」


「いえ……」


「父さんも喜んだと思う、真優にも会えたし」


「それなら良かった」


先生と繋ぐ手が苦しい。






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