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恋セヨ乙女
第26章 深まる二人
「…もうすぐ新学期ですね」


「そうだね、また学校も賑やかになるな」


先生の家から私の部屋までは目と鼻の先だから送ってくれると言ってもあっという間だ。


すぐに部屋の前に到着して鍵を開ける。


「…何かあった?」


「何かって何ですか?」



的をつく先生の質問に目さえ見れず、口先だけで答える。


「変だから、急に」


「変なんて…」


「…真優は嘘が下手だな」


私の頭に手を乗せて先生がぐりぐり撫でた。


「………」


「俺には言えない事?」


「………」


こうやって甘える余地をくれる先生はズルいよなってやっぱり思う。
こんな風に言われたら先生に甘えて素直に嫉妬を口にしてしまうから。


「…マキさんとどこ行ってたの?」


ギュッと先生のシャツを掴んで尋ねた。


「マキちゃん?…コンビニだよ」


「それだけ?コンビニってそこのコンビニでしょ?一時間もかかる?」


……私、きっと今すごく嫌な顔してる。


「まあ…色々話はされたけど」


「話って何?」


「セックスしよう的な?」


「――――――っ」



…やっぱり。
怖い、先生を取られてしまいそうで怖かった。
握ったシャツに力が籠る。



「……それで?」


「断ったよ、当たり前だろ」


「………」


先生に顔を埋めた。
ちょっとだけホッとしたけど嫉妬の渦は止まらなかった。


「ヤキモチ妬いてたの?」


「………」


「心配した?」


「秘密…」



そして先生に抱きしめられる。



「もう知ってるだろ、俺の気持ち」


「…………」


「悪いけどあんなことくらいでホイホイ着いてくならこの6年、とっくに誰かとセックスしてた」


「………」


「あいにくモテない方じゃないんでね」


抱きつく私の髪を先生が優しく撫でる。

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