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恋セヨ乙女
第6章 彼女の存在
「痴漢!?」


女の人が驚いている。



「そうなんです、ちょうど先生がいたから良かったですけど…」


「大丈夫?可哀想に」


「…はい」


「私もよく高校生の頃は痴漢に遭ったわ」


「鞠華に遭った痴漢は災難だな」


「あんなのは男のクズよ。だから当然」


「………」


なんか逞しい。
…この人、先生の彼女さんなのかな。


ぼんやりと先生と話すその人を眺めているとふと目があった。
その人は僅かに笑って、私も釣られるように口元を綻ばせる。


「ちょっと俺、この子送ってくる」


「じゃあご飯作っとくわ」


当たり前みたいにその人は言った。






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