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恋セヨ乙女
第6章 彼女の存在
「家、どの辺?」


「ウエストモールの近くです」


先生の車が走り出した。


「さっきの人、先生の彼女ですか?」


「そう」


先生はそっけなく答えた。


「彼女さん、噂通り美人ですね」


「噂?」


「…先生の彼女は綺麗で頭も良くて性格も良いって」


「ハハ、どっから聞いてくんだよな」


怖えー、と先生が笑う。
満更でもなさそうな笑顔に胸がチクンと痛んだ。


「付き合って長いんですか?」


「三年くらいか?」


「すごい、三年」


今の私には果てしなく思える。
三年もの月日を先生と彼女は過ごしてきたんだ。



「鈴村さんの年から見たら確かに長いかもな」


「…実際は?」


「あっという間だよ」


…彼女の話をする先生は穏やかで。
私はなんだか息苦しい。


「…その言葉、おじさんっぽいですよ」


「俺がおじさんなんじゃなくて鈴村さんが子供なの」


「子供だっていうならセクハラ発言は控えてください」


「流せないところが子供の証拠だろ」


まだ引っ張ってんのかと先生は苦笑い。
私も表面だけは笑ってみたけどもう胸はズキズキ痛んでいた。


どうしてだろう、なんて無粋だけどその理由を私は図りかねていた。


あんなことがあったから?
それとも本当に?


先生の車に流れるジャズが居心地悪い。
私はこんな大人の曲は聞かないから。


「先生ジャズが好きなんですか?」


「…これはあいつの」


先生の口からまた彼女のことが紡がれる。
優しい声色には先生の気持ちが滲んでいるようだった。


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