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恋セヨ乙女
第6章 彼女の存在
「どうする?親に説明しようか?」


「…それはいいです」


「じゃあ送るだけでいいの?」


「はい」



それから少し沈黙が続く。


「ねぇ、鈴村さんていつもそうなの?」


「いつも?」


「学校でもそうだけど、そんな風に人に頼らないで解決しようとするの」


そんなこと初めて言われた。
自分でも意識したことなんてないけど…


「…普通だと思います」


私だって何が普通かなんて分からないけど多分普通だと思う、少なくとも私にとっては。


運転する先生の横顔からは何を言いたいのか分からない。
その真意を探るように先生を見ていた。


「そんなにジロジロ見るな」


突然先生が眉間に皺を寄せて私を睨んだ。



「危ないからちゃんと前見てください!それに先生が急に変な事言うから」


「変な事じゃないだろ、さっきの泣いてた鈴村さんが本心なんだろ?」


「………」


「…そんな“ワタシなんでもできます~”って顔してないでもう少し頼れば?」


「………」


「生きにくいだろ。一人で肩肘張ってても」


「別に肩肘なんか張ってるつもりは」


「ない?」


「……はい」


「無自覚か」


先生が苦く笑った。



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