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恋セヨ乙女
第28章 花の嵐
それから長い長い沈黙が続く。
お父さんは何か話す訳でなく、先生も何も言わなくて。
……気まずい。
気まずさを感じて先生を見ると目を閉じてじっと何かを考えていた。
そして…
「…今日はお願いがあって伺いました」
長い長い沈黙が終わる。
お父さんも何も言わずに先生の言葉に耳を傾ける。
「…本当は堅苦しい挨拶を沢山考えていてお父さんとお母さんに伝えるつもりで来ました。でもさっきのお母さんの話を聞いてそんなの止めようって…」
正座した膝の上で拳を握りしめる先生。
「失礼を承知でいつも通りの自分で話させてもらいます。結論から言いますと真優さんを僕にください」
………まさかのいきなりド真ん中。
これにはお父さんもお母さんもびっくりして先生を見つめている。
「世の中に“絶対”はありません。だから絶対幸せにするとは言い切れません。…でも、僕には真優が必要なんです」
先生は膝に手を着き深々と頭を下げる。
「僕の人生をもって真優さんを大切にしていきます。だから…真優さんと結婚させてください」
私には呼吸するみたいに「結婚しよう」なんて言ったくせに。
ちょっとはその真剣さを分けてくれても良かったんじゃない?
必死に両親に頭を下げる先生を見て胸が熱くなった。
「…真優が生まれた時にね、僕は釣りをしていたんだよ」
初めて口を開いたお父さんはお父さんで答えになってないことを語り出す。
「あの頃まだ僕は携帯をもってなくて、予定日まで一週間もあったからまさか生まれるとは思わなくてね」
「…ホント大変だったのよ」
「この通り妻に怒られましてね」
お父さんがハハッと笑う。
「釣糸を垂らしながらどんな名前にしようか考えていたんだ。いろいろ候補はあったんだけどどれもピンと来なくてね…どんな子になってほしいかって考えたら優しい子がいいなってシンプルに思ったんだよ」
先生も私もお父さんの話しをじっと聞いていた。
お父さんは何か話す訳でなく、先生も何も言わなくて。
……気まずい。
気まずさを感じて先生を見ると目を閉じてじっと何かを考えていた。
そして…
「…今日はお願いがあって伺いました」
長い長い沈黙が終わる。
お父さんも何も言わずに先生の言葉に耳を傾ける。
「…本当は堅苦しい挨拶を沢山考えていてお父さんとお母さんに伝えるつもりで来ました。でもさっきのお母さんの話を聞いてそんなの止めようって…」
正座した膝の上で拳を握りしめる先生。
「失礼を承知でいつも通りの自分で話させてもらいます。結論から言いますと真優さんを僕にください」
………まさかのいきなりド真ん中。
これにはお父さんもお母さんもびっくりして先生を見つめている。
「世の中に“絶対”はありません。だから絶対幸せにするとは言い切れません。…でも、僕には真優が必要なんです」
先生は膝に手を着き深々と頭を下げる。
「僕の人生をもって真優さんを大切にしていきます。だから…真優さんと結婚させてください」
私には呼吸するみたいに「結婚しよう」なんて言ったくせに。
ちょっとはその真剣さを分けてくれても良かったんじゃない?
必死に両親に頭を下げる先生を見て胸が熱くなった。
「…真優が生まれた時にね、僕は釣りをしていたんだよ」
初めて口を開いたお父さんはお父さんで答えになってないことを語り出す。
「あの頃まだ僕は携帯をもってなくて、予定日まで一週間もあったからまさか生まれるとは思わなくてね」
「…ホント大変だったのよ」
「この通り妻に怒られましてね」
お父さんがハハッと笑う。
「釣糸を垂らしながらどんな名前にしようか考えていたんだ。いろいろ候補はあったんだけどどれもピンと来なくてね…どんな子になってほしいかって考えたら優しい子がいいなってシンプルに思ったんだよ」
先生も私もお父さんの話しをじっと聞いていた。