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恋セヨ乙女
第8章 キスマーク
「参ったな…」


先生が舌打ちした。


「目立つ?」


「襟で隠れるから…角度によってでそんなには…」


「気を付けなきゃだな。特に職員室」


否定しないってことはビンゴってことで。
むしろ思いっきり「身に覚えがありますよ」って言われてる。


有頂天からどん底。
さっきの私が馬鹿みたい。


「…教師がそんなのつけてたら生活指導できませんよ」


「バカ、大人と子どもは違うの」


痣をさすりながら話す先生。
胸の中はさっきとは違う感情が渦巻いている。


どんよりと薄ら黒くて…
積乱雲みたいに厚く重い。



…とその時スマホが鳴った。



すがるようにスマホを取り出し履歴をチェックすると大地からのLINEで。


『今日うち来れる?』
『お袋が役員会で太陽の子守り、おまえも』




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