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恋セヨ乙女
第8章 キスマーク
「おまえも…何よ」


大地はいつも言葉が足りない。
行くけど、タイちゃんに会いたいから行くけど。


「フーン、男から?」


返事を打っていると先生が薄く笑った。


「男は男でも友達ですけど」


「へぇ」


面白がるような先生の表情にムッとする。
先生が押さえていた首筋の手を落とすと隠れきれない赤い痣が嫌でも視界に入ってしまう。


「鈴村さん。しばらくは早く帰んな」


「………」


「昼間なら混むこともないし、…朝は気持ちが落ち着くまで付き合うけど」


付き合うけど。


それは当たり前の言葉なのに突きつけられるとひどく虚しい。


先生は「先生」だから。
だからこんなに気に掛けてくれてるんだって…
そんな当たり前のことに一瞬でも舞い上がった自分が恥ずかしくて下を向いた。


「平気ですよ?」


「………」


「大丈夫です。全然平気」


幸せさえ感じられた腕の檻は一瞬で針のむしろに変わる。


全ては私が生徒だから。
先生は教師としての責務を全うしてるだけ。


慰めてくれたのも送ってくれたのも、迎えに来てくれたのもこうして守ってくれるのも…


「だから今日だけでいいですよ。ホント」


「……そう?」


「ハイ。今日一日で落ち着いたから全然もう平気」


スマホをギュッと握りしめて張った虚勢は私の精一杯。


「そっか。なら良かった」


窓に突いた手の位置を先生が上にずらした。
二人の間がさっきよりも広くなる。



「あ、またLINE…そうだ。心配なときは友達に付き合ってもらうことにします」


返事を打つ手が震える。


「電車揺れるから打ちにくいな…ハハっ」


やだ。泣きそうだ。
涙を必死にこらえた。






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