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恋セヨ乙女
第8章 キスマーク
「……ゆ」


「………」


「まーゆ」


「………」


「真優!」


ハッと気づくとゆらが私を覗き込んでいた。


結局朝からこの調子。
今だって気づけば授業は終わっていたらしい。


「どうしたの?真優らしくないよ」


なっちゃんも頷いている。


「悩み事?」


「んー、悩みってか。…ゆら、エッチってどんな感じ?」


「はぁ?」


「なにー?真優ちゃん性の目覚め?」


なっちゃんがニヤつきながらほっぺをぐりぐり人差し指で突く。


「やめてよ。ちょっと思っただけだよ」


潰されたほっぺからなっちゃんの手を引き剥がす。


「為になる漫画読む?」


「いい!なっちゃんの漫画エグいんだもん」


バッグから取り出した漫画をなっちゃんが私に押しつける。


「これほとんどエロ本じゃん。女子が読むもんじゃないよ」


パラパラページをめくってみると男女が激しく交わっていて。


「あんな少女漫画じゃ参考になんないでしょ」


「何の参考!?」


「アンタみたいな悩める乙女の参考だよ!」




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