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恋セヨ乙女
第9章 興味
「こ、こんな所で偶然ですね。お買い物ですか?」


咄嗟に空気を変えようと彼女さんに話を振る。



「私の家が近くてね、あそこなの」



彼女さんが指差したのは家から目と鼻の先のアパートで。


「嘘、うち…あそこなんです」


「あら、ご近所さんだったのね。すごい偶然ね、恭也の生徒さんと近くだったなんて…ね、恭也」


「………」


「それにしても高校生のカップルは可愛くていいわね」


彼女さんはニコニコと私と大地を見た。



「や、カップルじゃなくて…」


「友達、なんでしょ?」


先生が腕組みをして大地を見る。


「“今は”な」


「…………」



何この空気。非常に気まずい……
恐る恐る大地の裾を引っ張る。


「大地、アイス早く買って」


「あ、ああ…そうだな」


「アイスだなんて…フフッ、本当に可愛いわ」


とにかくこの場から逃げたくて、二人にお辞儀して大地を引っ張り店内に入った。


彼女さん、ご近所なんだ。
それって結構すごい偶然。


こんな偶然…あるんだな。


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