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恋セヨ乙女
第9章 興味
店内に入ると真っ直ぐアイスコーナーに向かう。
「…大地、私これがいい」
「バーゲンダッツかよ」
「ダメ?」
「仕方ねーな」
大地がアイスを持ってレジに向かう。
大地の後ろでなんとなくさっきの事を考えた。
…今日は彼女の家にお泊まりなんだろうか。
うちの近所でとか…なんか複雑。
「ホラ、ボケッとしてんな。行くぞ」
大地がぶら下げたレジ袋を私のほっぺにくっつける。
「つ、冷た!……ありがとう」
「やけにしおらしいな」
大地と並んでコンビニを出る。
私はまだ半分先生の事を考えていた。
「なあ、真優」
「んー?」
「昨日…何があったんだよ」
こだわる大地。
何となく言われることは分かるから、ためらうものの大地の目が真剣で仕方なく口を開く。
「…痴漢に遭った」
「だから俺を呼べって言っただろ!?」
「でもね、さっきの先生…うちのクラスの副担なんだけど、先生が助けてくれたの」
大地はあからさまに不機嫌になった。
「……そりゃ良かったな」
「だから昨日は先生が車で送ってくれて…だからさっきの…」
「もういいよ」
懸命に弁解する私の言葉を大地が止めた。
「なあ真優、おまえの知りたかったこと…やっぱ教えてやろうか」
立ち止まった大地が私を引き寄せる。