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恋セヨ乙女
第2章 春の日の
「今10週に入って、もう少しで安定するかなってところです」
細いサナちゃんのお腹はぺったんこで、今聞いたことがまだ結び付かない。
「赤ちゃんもう動く?」
「動かない動かない!まだそういうのはもう少しみたい。…でね、10月になったら産休に入らせてもらいます。学年の途中でなんてみんなには迷惑かけて申し訳ないんだけど…」
シュンと申し訳なさそうなサナちゃんに「おめでとう、元気な赤ちゃん産んでね」と暖かい声がかかる。
「みんな…もう、本当にいつもは手がかかってしょうがないのに…」
サナちゃんが涙ぐむ。
「サナちゃん!サナちゃんがいなくてもアタシたち大丈夫だから心配しないでね」
「まだいなくならないけどね」
サナちゃんの涙がみんなに感染して、まるで今日でお別れみたいに濡れた空気が辺りに漂う。
クラスのムードは最高潮、まさにそんな時。
「―――あのー、俺いつ紹介してもらえるんでしょうか」
わずかに開いたドアが鳴って、長身の影が落ちる。
「ああっ!忘れてた訳じゃないのよ。ごめんごめん、入って」
ガラリとドアが開いて現れたのはスーツに身を包んだ男の人。
多分、その瞬間誰もが彼に目を奪われたはず。
細いサナちゃんのお腹はぺったんこで、今聞いたことがまだ結び付かない。
「赤ちゃんもう動く?」
「動かない動かない!まだそういうのはもう少しみたい。…でね、10月になったら産休に入らせてもらいます。学年の途中でなんてみんなには迷惑かけて申し訳ないんだけど…」
シュンと申し訳なさそうなサナちゃんに「おめでとう、元気な赤ちゃん産んでね」と暖かい声がかかる。
「みんな…もう、本当にいつもは手がかかってしょうがないのに…」
サナちゃんが涙ぐむ。
「サナちゃん!サナちゃんがいなくてもアタシたち大丈夫だから心配しないでね」
「まだいなくならないけどね」
サナちゃんの涙がみんなに感染して、まるで今日でお別れみたいに濡れた空気が辺りに漂う。
クラスのムードは最高潮、まさにそんな時。
「―――あのー、俺いつ紹介してもらえるんでしょうか」
わずかに開いたドアが鳴って、長身の影が落ちる。
「ああっ!忘れてた訳じゃないのよ。ごめんごめん、入って」
ガラリとドアが開いて現れたのはスーツに身を包んだ男の人。
多分、その瞬間誰もが彼に目を奪われたはず。