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喫茶室白百合から愛を込めて
第4章 食後
「あー、おいしかった!」



夕美は早食いをした後、新聞紙を椅子の脇へちょこんと置いた。




そして愛読書のページをめくって折り目をつけ、







ページの片隅へ文字を書いた。





『奈都チャン…ゴメン!ここじゃ話し辛いことが多い。』






夕美は、奈都へにこやかに笑いを向けて、







文庫本へ書いた落書き文を見せた。








「へぇ、この本は…電子書籍化したばっかりなの…。





知らなかった。
そろそろ行かないと、出ようか?」







奈都は、夕美の気持ちを察して、コートを羽織った。







「時間がないしね…」






奈都がレシートを手にした。






「ここの会員制の規約通りに、今回は、アタシの奢り。





自信過剰の驕り、じゃないよ…」





夕美は、クスクス笑った。






奈都は、
夕美が、
珍しく、よく笑うのを我が事のように喜んだ。







レジへ向かい、レシートを差し出して渡し、






会員制のカードを提示した。





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