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10年目の恋
第3章 月夜の夢
「もう1度整理していいかな?」
「?いいけど?」
「ポチは宇野徹。今年は2003年。ポチは1986年生まれのA校の2年生。
これで間違いない?」
「・・・うん」

徹だ。理解も納得も出来ないけど。
ポチは10年前の徹かもしれない。
出身校も同じだ。

もう一度大きく深呼吸してあたしは「お風呂に入ってくる」とその場を逃げ出した。

いくら考えても
10年前の徹だと考えるとつじつまが合う。
こんなことってあると思う?
自分の頭がおかしくなったのかとさえ思う。
ポチを見ていると
年号とか嘘をついているとは思えない。
学生証も偽造まではしないだろう。
言われてみれば徹の面影もある。

なんで・・・・
なんで、ここにいるんだろう。
なんで、こんな事になっているんだろう。

お風呂から出ると徹の荷物は綺麗に整理されていた。

「ポチ?」

「お姉さん、俺明日家に帰るよ」
「ど・・・どうやって?」
「え?電車で?」
「そう・・・」

「4泊も泊めてもらっちゃって、ありがとう」
「いいのよ・・・・」

「もし・・・もしも、帰れないときは!!
遠慮なく戻ってきなさいね」
「うん?ありがとう」




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