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10年目の恋
第2章 月夜の雫
「シンプルな部屋だね」
確かに。色はそこそこあるものの、女の子らしい小物があまりなくて
ごちゃごちゃしていないあたしの部屋は
徹にもいつも「相変わらずシンプルだな。でもなんか懐かしい」って言われる。
「何か食べる?」
「餌くれんの?」
「拾ったからにはね」
冷蔵庫を見ながら、チャーハンぐらいしかできないけどというと
上等です。と返ってきた。
チャーハンにセロリの葉をみじん切りにして入れる。
徹に教わった、徹の好きなチャーハン。
「へ~。セロリ入れるんだ。変わってる」
「食べられる?」
「俺、セロリ大好き」
本当に犬。
あたしの2食分の量をぺろりと食べてソファーにゴロゴロしだした。
「お風呂に入っておいでよ。下着持ってるの?」
「家出だからね。持ってきた。お風呂も入っていいの?」
笑いながらいいよ。というと
ポチはカバンから下着を出してバスルームに向かう。
あ。徹にメールの返事をするの忘れた。
お気を付けて。
簡単な敬語は言葉の丁寧さとはうらはらに
多少のイヤミも含んだ。
確かに。色はそこそこあるものの、女の子らしい小物があまりなくて
ごちゃごちゃしていないあたしの部屋は
徹にもいつも「相変わらずシンプルだな。でもなんか懐かしい」って言われる。
「何か食べる?」
「餌くれんの?」
「拾ったからにはね」
冷蔵庫を見ながら、チャーハンぐらいしかできないけどというと
上等です。と返ってきた。
チャーハンにセロリの葉をみじん切りにして入れる。
徹に教わった、徹の好きなチャーハン。
「へ~。セロリ入れるんだ。変わってる」
「食べられる?」
「俺、セロリ大好き」
本当に犬。
あたしの2食分の量をぺろりと食べてソファーにゴロゴロしだした。
「お風呂に入っておいでよ。下着持ってるの?」
「家出だからね。持ってきた。お風呂も入っていいの?」
笑いながらいいよ。というと
ポチはカバンから下着を出してバスルームに向かう。
あ。徹にメールの返事をするの忘れた。
お気を付けて。
簡単な敬語は言葉の丁寧さとはうらはらに
多少のイヤミも含んだ。