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貪られる肉体 - 私のカラダは、誰のモノ?
第5章 回されるもの。
「あ、ママ? ごめん。ちゃんと聞こえてるよ。今日ね、委員会の仕事が残っててどうしても帰れそうにないの」

 そう、迷っている暇は無かった。

 迷ってなんかいたら、嘘をつく自分が許せそうになかったから。

 犯され続けている自分を認めたくなかったから。

「うん……。うん……。本当だって」

 ごめんね。

 本当だったら今頃、普段やりもしない料理を手伝っていたと思う。

 この地獄の当事者だからこそ、そんな実現不可能で実現可能な思考が働くのだろう。

「……っ。うん。聞いてるって。ちょっと取り込んでいるだけ」

 聞こえてるって。

 ママの不安そうな声と……私から発せられる嘘と……心の中で何度も謝る私の声が。

 ちゃんと怪しまれずに言えているだろうか。

 たまに零れてしまう熱い吐息が伝わってしまっていないだろうか。

 ごめんね。

「うん。切るね。え? わかってるって。ちゃんとまた連絡するよ。……じゃぁね」

 話が済んだのを見計らい先輩が電話を切った。

 通話が切断されたのを確認すると、私の喉奥からはずっと堪えられてきた物が湧き上がる。

 熱く、甘く、そして見下ろす男達を興奮させる声が。

 電話の最中も内海君は私の中を犯し続けた。
 
 そんなに必死なピストン運動はきっと私に少しでも喘ぎ声を出させようとしていたのだと思う。

 彼の目がそう訴えかけれいた。

 この単なる“母への電話”という行為は絶対的に“私への辱め”という行為であることに内容含め確信を持てた。

 でも、私はなんとか我慢してみせた。

 もしかすると、これも彼等の計算の内で、反応が無くなりつつある私に生気を取り戻させる為だったのかもしれない。

 それよりも、今考えると体液がかき混ざる音が電話越しに聞こえてしまってもおかしくない大きさかもしれないことを見落としていた。

 そんな、今現在の状況に慣れつつある私に嫌気が差していた。
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