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貪られる肉体 - 私のカラダは、誰のモノ?
第2章 Hな服を着るもの。

 クラスに到着すると、もう大分部の人が登校していた。

 一年A組の表札をくぐり教室へと足を踏み入れる。

「おはよう!」

 私はドア付近の男子に挨拶をされると、身を縮ませて挨拶を返した。

 やはりこの格好は恥ずかしい。

 黒板に書かれた自分の席を探す。

 一番前の、更には中央に位置する場所だった。

 この場所は、苦手である。

 何をしていても、先生に見られるし、後ろからも見られているようで落ち着かない。

 席に座ると左隣の男子が話しかけてきた。

「今日からよろしくね」

 笑顔が可愛らしい人だ。

「あ……よろしく」

 服装を気にして、上手く話せない。

「名前なんていうの?」

「優香です。来栖……優香です」

 もじもじとしてしまって、変な印象を与えてしまったかもしれない。

 ひとまず自己紹介を終えると、担任らしき人物が教室に入ってきた。

 それにしても、このクラスには女子がいないのかな……。
 
 見渡す限り男子しかいなかった。

「えー。では今日から皆さんよろしくお願いしますね」

 そうこうしている内に担任の話が終わってしまっていた。

 続々とクラス中が移動を始める。

 あ、この後入学式だったのをすっかり忘れていた。

 移動の最中も男子しか見かけず、心細く体育館へと向かった。

 そこでも私は驚いた。
 
 驚きよりも寂しさの方が強かったと思う。
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