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アネゴ的カノジョ
第6章 酒と温泉と…
「わははっ。ほら、おめぇら飲めよぉっ」
「しっかり戴いてますぜっ」
「オイラも……ヒック……バッチリ飲んでるっスよぉ」
「まあまあ、かいちょーも一杯……」
「とととっ……こりゃあすいませんねぇ…」
「私も飲むぅぅぅっ」
「葵ちゃんもいける口だねぇ」
「ほら、助役さんも……」
「っと、なかなか良い酒ですなぁ」
「……………」
…着替えられなかった…
大広間へと場所を移せば、早々から酒盛りをしていた職人たちは早くも大盛り上がりだった。
杏子と葵が部屋に戻った僅か後、タイミングを見計らったかのように食事が完成。
浴衣から着替える暇もなく、杏子は葵に引き摺られて来たのだった。
職人たちもいつの間に着替えたのか、全員浴衣姿。
慰安旅行独特の賑やかな雰囲気が、杏子たちしか居ない大広間に漂っていた。
「まぁ…料理は美味いし……文句は無いんだけどな………」
着替えられなかったのが余程ショックだったのか、杏子は盛り上がりの波に乗り切れず、一人黙々と料理を口にしていた。
しかし、いつも賑やかな杏子を放って置くような職人たちではなかった。
「ほらほら、キョウちゃんもっ」
「しっかり楽しまねぇと損だぜぇ?」
「けぇる心配ねぇんだから、キョウちゃんも存分に楽しめぇっ」
「あ、アタシも楽しんでっから……」
いつもとは違う職人たちの勢いに、ヒクヒクと顔を引き攣らせる杏子だった。