この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
アネゴ的カノジョ
第1章 姉と弟
 
「ただいま」

 口数が少ないと言われても、挨拶はする雅人。

 しかし、薄暗い部屋からの返事は無い。

 特に気落ちする事も無く、狭い玄関から上がれば、直ぐ左手には脱衣所の扉。

 そして数歩でトイレの扉。

 更に数歩で、流し台を備えた六帖程度の洋室へと至る。

 そして、その部屋の隣は襖で隔たれた四帖半程度の和室。

 僅かな歩みだけで事足りる、こぢんまりとした部屋が雅人の住居だった。

 当然、人影の無い部屋。

 狭いベランダに面した窓からは、暗い駐車場が見下ろせる。

 更に遥か向こうには、点々と明かりが点された高層マンションとビルの群れが見える。

「…あそこに住めるように……なれるのかなぁ………」

 今の格安ボロアパートに比べたら、当然、グンと値が張るマンション。

 クラスでも、あのマンションに住めれば勝ち組だという声すら聞いていた。

「……はぁ……」

 自らの性格を考えると気が重くなる。

 暗くなった景色をボンヤリと眺めながら、自己嫌悪に陥り始める。

「……みんな……姉ちゃんみたいならなぁ………」

 ボソッと呟いた雅人。

 その耳に、ドタドタとけたたましい物音が届いた。
/174ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ