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アネゴ的カノジョ
第6章 酒と温泉と…
 
 後ろ手に扉を閉める杏子。

「はぁ……。ここは……」

 扉に背中を預けて、部屋を見回す。

 裸電球一つだけの薄暗い部屋。

 両脇の壁には、それぞれ天井付近まで高く積まれた布団。

 そして、正面には木製の棚があり、枕や畳まれたシーツが乱雑に置かれていた。


…倉庫…かな………


 なんにせよ、取り敢えず一人になれる場所を見付けて安堵する杏子。

 乳輪までも露わになりそうな程に浴衣を開けさせた儘、腰を下ろすと積まれた布団に背中を預ける。


…しかし…あの二人……


 落ち着いてくると、頭に浮かぶのは露天風呂で繰り広げられていた葵と職人の情事。


…付き合ってんのかな……


 貫かれて恍惚な表情で喘いでいる葵の顔が頭から離れない。

「…ってか……アタシ………」

 そんな葵に自らを重ねて、浴場でオナニーをしかけていた事に杏子は顔が熱くなってくる。


…もう…変わるって…決めた筈なのに………


 簡単に触発されてしまう自分に呆れてくる。

 変わろうと思っていても、植え付けられた淫らな本能は容易く目を覚ましてくる。

「あぁっ! もうっ!
 アタシ…どうしたら………」

 思いが纏まらず、頭の中がグルグルと渦巻いてきた。

 堪らずに声を出し、積まれた布団に勢いをつけて寄り掛かった時だった。

「へ? あっ………」
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