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アネゴ的カノジョ
第6章 酒と温泉と…
「あー……酔ったっス……」
フラフラと千鳥足で廊下を進む後輩職人。
「しっかし…キョウちゃんがあんななるとは……」
杏子に絡まれた事を思い出すと、顔から血の気が引いていく。
それを忘れようと酒を煽り、再び酔っ払いへと変貌していた。
「でもまぁ……良い物も見れたし、その代償…スかねぇ……」
絡まれながらも、しっかりと小麦色の太腿の奥から覗いた黒いショーツをバッチリ見ていたようだった。
後輩職人はその光景を思い出して、締まりの無い顔を更に緩ませる。
「棟梁も良い人だし……来て良かったスよぉ……」
一年前に着の身着のままこの地域に足を踏み入れ、棟梁に拾われた事を思い出し、堰が決壊したかの様に涙を流す。
「キョウちゃんもみんなも…オイラみたいな素性が分からないヤツにも……」
更にドバドバと流れる涙。
「でも…キョウちゃん……。他行けば絶対モテモテなんスけどねぇ………」
杏子の見事な肢体を思い出し、再び締まりの無い表情へと戻る。
何とも、感情の起伏が激しい後輩職人だった。
ニヘラニヘラと表情を緩ませながら歩いていた後輩職人。
その耳にドサドサという物音が届く。
「…ん?」
キョロキョロと辺りを見回すが、人影も無ければ異変も無かった。
「…気のせい…スかねぇ……。
っと……これっスね」
物音をアッサリと流し、左手に男湯の暖簾を見付けて更に表情を緩める。
「ひとっ風呂浴びるっスよぉ」
温泉を見付けて上機嫌な酔っ払いの後輩職人。
暖簾の手前にある扉に手を掛けた。