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アネゴ的カノジョ
第6章 酒と温泉と…
…んー……こっちか…?
積み重なった布団の下で、モゾモゾと腕や脚を動かし続けている杏子は、徐々に体の位置をずらしていた。
…雪山ならともかく……
布団で遭難とか……恥ずかし過ぎるな……
誰にも見つからないようにと焦り始める。
積み重なった布団の重さに四苦八苦しながらも、肘や膝を使ってカーペットの上を少しずつ移動する。
「多分……こっちで………おっ………」
闇雲に動きながらも、杏子は足先に外気を感じて表情を緩ませた。
一度切っ掛けが出来てしまえば早かった。
「んしょ……んしょ…っと………」
それでも、布団の重さは変わる訳でもない。
爪先を先頭にして抜け出す早さは高が知れていた。
布団の山から徐々に現れる、引き締まった小麦色の脚。
爪先から膨ら脛、膝裏と抜け出して太腿までを露わにさせた杏子。
「っく……もうちょい…だな………」
腰まで抜ければ、後は反動で上半身を引き抜くだけ。
漸く、窮地から脱出出来る事に思わず表情が緩む。
「うしっ…もう一息………」
止めとばかりに、肘と膝に力を込めて体をずらす。
その勢いで、布団の山から白い日焼け跡を残した杏子の丸い尻が現れる。
しかし、その勢いは更に布団の山を崩させ、突き出した尻と布団の間に出来た隙間を埋めたのだった。
「ぬぉっ!?」
そして、不意にあがった奇声。
大量の布団からの脱出にムキになっている杏子の耳に届く事は無かった。