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アネゴ的カノジョ
第7章 長い夜
「うぉっ!?」
杏子の声に驚いた声が続いた。
振り返った杏子の視線の先には、赤ら顔の町会長と助役の姿。
「ひゃうっなんて……キョウちゃんも可愛らしい声出すんだねぇ」
「う、うっせぇよっ」
ニヤニヤと笑みを溢す町会長に、顔を赤らめて言い返す杏子。
「キョウちゃんもお風呂上がりかい?」
小太りの体型に浴衣がやけに似合う町会長の言葉。
「あ、アタシ…は………」
杏子は瞬時に、先程までの布団に挟まれながら喘いでいた光景を思い出して言葉を詰まらせる。
…あれ……誰だったんだ……
従業員か……職人たちくらいしか男いないし………
…かと言って…職人たちがアタシに何かしようなんて思わないだろうしなぁ………
何故か、淫らな行為よりも相手が気になりだした杏子。
「ちょ…ちょっと、アンズちゃん?」
不意に考え込んで黙り始めた杏子に、助役が声を掛けた。
「だから、アタシはアンズってぇ名前じゃねえってぇのっ」
「でも、そう読めますよねぇ。確か、あっちの店にもアンズちゃんって………」
「アタシは風俗なんかやってねぇからっ」
助役の言葉に、現在の恰好を忘れて詰め寄る杏子。
「でも…アンズちゃんなら……きっと………」
たじろぎながらも、チラチラと視線を向ける助役。
その視線の先には、開け掛かった杏子の胸元。
「あ、アンタ。 何見てんだよっ」
助役の視線に顔を赤らめて、慌ててガバッと胸元を隠す杏子だった。