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アネゴ的カノジョ
第1章 姉と弟
「って事があったんだよっ」
「…そ…そっかぁ……」
小さいテーブルを挟んで、床の上で向かい合って座る二人。
片膝を立てて行儀悪く座り、ゴクゴクと喉を鳴らして缶ビールを傾ける小麦色の肌をした女性の話に相槌を打つ雅人。
「で、マサは学校どうなのよっ。上手くやれてるの?」
雅人を愛称で呼ぶ女性。
「だ…大丈夫…だって………」
担任の言葉が頭を過ぎり、ドキッとする雅人。
「姉ちゃんだって…仕事…大丈夫?」
「あらひ? あらひはばっひりよぉ?」
後ろめたさを感じながら何とか切り返した雅人の言葉に、女性はエビフライを咥えた儘で言葉を吐き出した。
「ちょ…。姉ちゃんっ。行儀悪いよっ」
とても口下手とは思えない、流暢な言葉を吐き出す雅人。
それに対して、白いタンクトップを纏った女性はニヤリと口角を上げた。
「アタシとはちゃんと話せるのにねぇ………」
「うっ……。そ、それは………」
的を射た言葉に、眉を寄せて口籠もる雅人。
「いいから、ご飯っ。ちゃんと食べよっ」
「はいはい」
ばつが悪くなった雅人に、杏子は軽く言葉を返したのだった。