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アネゴ的カノジョ
第7章 長い夜
「ぜってぇ、やんねぇってぇのにっ」
プクッと頬を膨らませてそっぽを向く杏子。
「まぁまぁ。やってみたら楽しいよ、キョウちゃん」
宥める町会長の言葉も、今の杏子には通じない。
「アタシ、やった事あるからっ」
「だったら問題ないでしょ? アンズちゃん」
「だから、アタシはアンズじゃねぇって……」
町会長に加担する助役の手には、ラケットとピンポン玉。
「とにかくっ。アタシはやらないからねっ」
無理矢理に連れて来られた卓球スペース。
そこのベンチにピタッと太腿を合わせて座り、腕組みをしながらそっぽを向き続ける。
「キョウちゃんは卓球苦手なのかな?」
ベンチの傍のテーブルに缶を三本置きながら、町会長は柔らかく言葉を吐き出した。
「あ、アタシ、運動は得意だからっ。体だって柔らかいしさっ」
「だったら…」
追求し続けてくる二人を前にして、そっぽを向いた杏子の顔が徐々に赤くなっていく。
…そんなの……
…今、卓球なんて動きの早いスポーツ………
……ただでさえ浴衣…短いのに………
…ノーブラ・ノーパンで出来る訳なんか………
浴衣が開けた所を思うと、耳まで顔が熱くなってくる杏子。
「ははぁーん…。さてはアンズちゃん………
こんなおっさん達に負けるのが怖いんですねぇ」
ニヤニヤと笑みを浮かべた助役の顔を見た杏子。
恥ずかしさとは別に顔を赤くして、勢い良く立ち上がった。
「ち、違うったらっ! アタシは………」