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アネゴ的カノジョ
第7章 長い夜
 
…うぅ……このニヤけ面が…ムカつく………


 下から見上げて助役を睨む。

「アンズちゃんは可愛いんだから、睨んでも怖くないですよ。
 で、やっぱ…負けるのが………」

 助役の勝ち誇ったような表情を目の当たりにして、杏子の我慢していた糸がプツッと切れた。

「ああっ! もうっ!
 こうなったら、やってやるからねっ!
 負けて泣きを見ないでよっ!」

 負けず嫌いの一面が顔を覗かせた杏子。

 両腕を腰に当て、胸を張って踏ん反り返った。

「き、キョウ…ちゃん……」

「お…おぉ………」

 途端にそれぞれに反応する町会長と助役。

 その視線の先には、開けた浴衣の衿元から、白い日焼け跡を付けた胸の柔肉が乳輪近くまで覗いていた。

「あ……こら……見るなぁぁぁっ」

 瞬間に顔を赤らめた杏子。

 同じく顔を赤くした町会長を放っておいて、ジィーッと凝視する助役に腕を突き出した。

 突き出された腕は、しっかり握り拳を作っていた。

「へぶっ!」

 助役の顔に拳が見事に減り込めば、助役は奇声をあげて飛ばされたのだった。
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