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アネゴ的カノジョ
第7章 長い夜
「はぁっ…はぁっ……」
卓球台が一つにベンチと小さなテーブルが一つずつ置かれただけの狭いスペースに、杏子の荒々しい吐息が流れる。
外の暗闇を覗かせる窓に写る杏子の姿は、浴衣は開けてはないものの、背中まで伸びた黒髪は乱れていた。
「なかなかアンズちゃんもやりますねぇ。でも、動かないで私に勝とうなんてあまあまですよ?」
「う、うっせぇよっ」
ニヤニヤと笑みを浮かべる助役に、杏子は胸元を押さえた儘で睨み返す。
助役の言葉通り、杏子は必要最小限にしか動かなかった。
と言うよりも、動けなかった。
丈の短いピチッとした浴衣。
その下は、ノーブラ・ノーパン状態。
動けば開けそうになる事を気にして、杏子は腕が届く範囲でしか打ち返せていなかった。
それでも、助役の左右へと打ち返してくる揺さ振りに、杏子の息は徐々に荒くなっていたのだった。
「全く…。これじゃ勝負になりませんねぇ」
「うぐ……」
勝ち誇る助役に、何も言い返せずに下唇を噛む杏子。
「じゃあ、ハンデあげますよ、ハンデ。
利き腕と逆の腕でやりますよ」
「んな、ハンデなんかいらねぇってっ。今までのは準備運動だから」
息巻いた杏子の言葉に、助役は薄く口角を上げた。