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アネゴ的カノジョ
第2章 想いと現実
 
「……だから………です……」

「ま、まぁ……いいだろう……」

 授業を聞いていなくても、スラスラと答えを導いた雅人。

 難易度の高い問題を解かれた事に、担任は動揺しながらも平静を装う。

「難しい問題を解けたからって、余所見をしていい訳じゃないからな?」

 そんな担任の言葉にも、雅人は表情を変えずに短く返事をするだけだった。

 そしてクラスメートたちは、何も無かったかの様に授業を受けている。

 難問を解いても担任に注意されても、何の反応も示さない。

「…じゃ……これ……お前解いてみろ」

「あ……えっと……かな?」

「たいしたもんだな…。これもなかなか難しいんだけどな」

 担任の言葉で、瞬間に沸き上がる教室。

 教室中から難問を解いた生徒に称賛の声が飛び交う。

 これが、クラスの中での雅人の立場。

 暗いイメージを纏った雅人はいつの間にか疎遠され、クラスでは浮いた存在になっていた。


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