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アネゴ的カノジョ
第2章 想いと現実
 
「っしゃ…終わりっと……。
 てか、いい加減その仕事……終わらせないと棟梁五月蝿いよ?」

 額から汗を流してニカッと笑う杏子。

 全身から汗を吹き出し、タンクトップをピタッと肌に張り付かせながらも、両腰に手を当てて胸を張る。

「あ…あぁ………」

 更に強調される、杏子のIカップ。

 くっきりと形を浮かばせる爆乳を惜しみながら、若い職人は仕事を再開させた。

「…やれやれ…だなぁ……。よっと………」

 滑らかになった角材を肩に担ぐと、それを建物へと運ぶ。


…アタシに…男……ねぇ……


 不意に若い職人の言葉が頭を過ぎる。

 男という単語を聞いて、パッと頭に浮かんできた人物が居た。

「無い無いっ」

 思わず頭を振って、頭の中の人物を追い払う。

 長いポニーテールが振り回される。

 そして、肩に担いだ長い角材も振り回されていた。

「うぉっ!? お、おいっ、キョウちゃんっ!?」

「へっ?」

 慌てふためく職人の声。

 キョトンと周りを見回せば、腰を抜かした職人たちが冷や汗を掻いて杏子を見上げていた。
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