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アネゴ的カノジョ
第2章 想いと現実
 
「ったく…もぉっ……」

 唇を尖らせてブツブツと不満を溢しながら歩く杏子。

 ズンズンと歩く衝撃にポニーテールは揺れ、撓わな胸はユッサユサと弾む。

 かと言って、そんな杏子の胸に視線を向ける通行人など居なかった。

「ちょっと柱欠けさせただけなのにさぁ…」

 棟梁から強引に帰宅を命じられた杏子。

 明るい最中でも人気の無い川沿いの畦道を歩いていた。

「しかし…ホント…こっちは過疎ってるよなぁ………」

 遥か遠くには、高層の建物がいくつも見えている。

 片や、未だに舗装もされていない道もあれば、畑や田圃だらけの緑豊かな地域。

「とても同じ市内とは思えないなぁ………」

 両腕を頭の後ろで組み、横目に高層の建物を見遣りながら進む。

 若い連中は高校を卒業したと同時に、あの高いビルに囲まれた地域へと出ていく。

 杏子の同級生たちも例外ではなく、大半がこの地域から居なくなっていた。

 その親もまた、同じ市内だからと安心して出て行かせている傾向があった。

「…だからってなぁ……」
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