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アネゴ的カノジョ
第2章 想いと現実
「うわっ…わわわわぁぁぁっ!」
悲鳴をあげても止まらない体。
ゴロゴロと回転し、最早、どっちが上だか分からない。
「ちょ…ちょっ!」
慌てて口を開いても、どうする事も出来なかった。
畦道を歩いていた杏子。
余所見をしていた為に、端を歩き過ぎていた。
そして、気付けばズルッと足が滑り、瞬く間に無防備だった杏子の体は土手を転がった。
当然、土手の行き着く先は川。
僅かな川辺も気にする事無く、勢いのついた杏子の体は一直線に川へと転がる。
「も、もぅっ! や、ヤバいってぇぇぇっ!!」
杏子は叫ぶだけで、体の回転を止めようとしなかった。
その結果は一目瞭然。
川岸で僅かに跳ね上がった体は、勢いをその儘に川へと放り出された。
「うわぁぁぁっ!」
叫んだのも束の間。
バシャァンと派手に水しぶきをあげて、杏子は川に落ちた。