この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
アネゴ的カノジョ
第3章 夜道と水難
アパートを飛び出した杏子。
両腕を頭の後ろで組みながら、鼻歌混じりに歩き出す。
「今夜もバッチリ見えるなぁ…」
見上げれば満天の星空。
街灯が無くとも、月明かりが行く先を照らす。
脇を流れる小川のせせらぎに混じって、虫の鳴き声も流れている。
しかし、小川を越えた遥か先に見える高層ビルたちは、煌びやかに光を放っていた。
「アタシには、アソコは似合わないしムリだなぁ………」
思わず苦笑を浮かべる杏子だったが、ハッと我に返る。
「いっけね…。余所見してたら、また落っこちるトコだった………」
気付けば、畦道の端を歩いていた。
数日前の出来事を思い出し、再び苦笑する。
「でも……。見回りなんて…要るのかよぉ………」
着の身着のまま飛び出してきた杏子。
相変わらずの露出が激しい、肩や胸元が露わになったキャミソールに、引き締まった太腿までも露わにさせるジーンズ地のショートパンツ姿。
歩き出してから十分程度経っても、そんな杏子の姿を誰一人として見ていなかった。