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アネゴ的カノジョ
第3章 夜道と水難
歩きながらマジマジと見下ろしてくるタケ。
「な、何だよいきなりっ。あ、アタシ、そんな変わってねぇかっ?」
タケの視線を感じて、見上げながら苦笑を浮かべる。
「まぁ、変わられても困るっていうかねぇ」
相変わらず、爽やかな笑顔を見せるタケ。
「そ、そうかっ」
やはりいまいち本調子に戻れない杏子は、視線が合った事に慌てて前を向く。
そんな杏子の様子にタケも前を向くと口を閉ざした。
再び静寂が訪れれば、二人の足尾と虫の鳴き声だけが流れる。
…や…やっぱコイツ……
コイツ相手だと……調子狂うな………
月明かりが照らす先を見詰めながら、苦虫を噛み潰したように顔を顰める杏子。
…ったく……
昔からコイツだけは…何かなぁ………
年下のクセに………
チラッとタケの横顔を見遣る杏子は、気付かれないように嘆息したのだった。
「で、アレからカレシ出来た?」
「な、なっ…!?」
唐突に吐き出された言葉。
「オメエも言うのかぁっ!」
度々言われる言葉に、杏子は声を張り上げた。
「だって、気になるじゃぁん……。
……元カレシとしては…さ……」